ポルシェ997ターボ車検
ポルシェ997ターボ、車検整備のご依頼をいただきました。
点検をしていく中でウォーターポンプ、ドライブシャフトブーツが故障、破損していることがわかりました。
ウォーターポンプ交換
ウォーターポンプはエンジン内部に冷却水を循環させる役割があります。この働きによってエンジンが適正温度に保たれています。
冷却水が循環しなくなるとオーバーヒートを引き起こしてしまいます。
今回は、エンジンの回転数と連動して『ガラガラ』と音が鳴るという症状が起きていました。
こちらがウォーターポンプです。
※プーリーをベルトによって駆動させて、裏についている羽根を循環させる構造のポンプです。
冷却水が漏れ、赤く固まっています。
ベルトを外し、ウォーターポンプを触ってみると、ガタつきがありました。
ガラガラとした音や、冷却水漏れは、ウォーターポンプの劣化が原因となって引き起こされていました。
取り外し、新しいウォーターポンプと交換します。
左)取り付けられていたウォーターポンプ / 右)新品のウォーターポンプ
交換すると、ガラガラとした異音も解決しました。
続いてドライブシャフトブーツの交換です。
ドライブシャフトブーツ
▲ドライブシャフトのブーツに入っている潤滑グリスが飛び出て、ブーツの表面だけでなく、周囲にも広くグリスが付着しています。
ドライブシャフトはエンジンの出力をタイヤに伝える部品で、高速回転します。
ドライブシャフトブーツが切れ、グリスが漏れている状態で動作していたため、このようにグリスが飛び散ってしまったのです。
ブーツ類の破損は車検の重要項目にあたり、検査が必要な箇所です。今回のようにグリスが漏れている状態のままでは車検に受かりません。
▲取り外したドライブシャフト
インナー側(ミッションに近い方)のブーツが左右とも切れて中のグリスが少なくなっていました。
ドライブシャフトを分解して灯油で洗浄したところです。
こちらを組んでグリスを注入、新しいブーツを取り付けます。
キレイになりました。
以上で、ドライブシャフトブーツの交換が完了です。
- 潤滑の役割がなくなる
- 砂利などの異物がドライブシャフトないに混入する
最悪の場合、ジョイント部分の破損や、ロックがかかり運行不能になってしまう危険性もあります。
ちなみに、ドライブシャフトブーツが切れてグリスが飛び出していても、点検しない限り気づくことができません。
放置する期間が長いほど大きな事故につながりますので、2年に一度の車検だけでなく12ヶ月点検も実施していただいた方が安心です。