ポルシェ987ケイマンにお乗りの神奈川県のTさま。
弊社主催のポルシェ無料相談会の告知サイトを見てお問い合わせいただきました。
Tさまは以前、弊社スタッフの多くが在籍し
数年前に閉業したポルシェ専門店に愛車のメンテをお任せしていたそうです。
同店の閉業後は都内の他店に出していたとのことですが
「Jスクエアは自宅から近く、信頼できそう」
「永く乗っていきたいので、しっかり整備してもらいたい」
ということで、この度整備をご依頼いただきました。
永く乗るために今後の整備プランも計画
9万キロ程走っているこちらのケイマン。
オーナー様が気になっていた部分を中心に
これからも永く乗り続けるためのメンテナンスを実施しました。
「走行中に左前の方から異音がする」
ということで、音の発生源を探っていったところ、
パワーステアリングポンプから異音が出ていることが判明。
また、ドライブベルトのプーリーやテンショナー、
ウォーターポンプからのガタや異音も見つかりました。
いずれも車体後部にある部品ですが、クルマの異音や振動は
車体の共振などで思わぬところから感じられることがあり、
発生場所の特定は意外と難しいものです。
パワステポンプは現在部品待ちで作業は後ほどとなりましたが、
ドライブベルトとプーリーやテンショナー、ウォーターポンプを交換しました。
水冷モデルは986系や997なども同様に距離が伸びると
ウォーターポンプベルト周りからの異音は出てきますね。
今回、ウォーターポンプを交換したついでにクーラント(冷却水)の交換も行いました。
整備履歴を見るとしばらく交換されていなかったので、ちょうど良いタイミングでした。
そこで登場したのがこのマシーン!
「真空引きクーラントチェンジャー」
一般的な冷却水交換では、ラジエーターや配管のドレーンから古いクーラントを排出しますが、
この方法ではエンジン内部や配管内から完全に抜けきらない場合があります。
しかし、このマシーンを用いれば、冷却水の経路を真空状態にして、
強制的にクーラントを排出・交換すcることが可能なスグレモノなのです!
Jスクエアでは真空引きチェンジャーを使用して、確実な冷却水交換を実施しています。
また、「排ガスに少し白煙が混じる」とのことでしたので
オイル漏れを疑ってみると、インテークマニホールドの配管接続部に
オイルが滲んでいました。
これはエンジンから出るブローバイガス(オイルや燃料の混じった未燃焼ガス)から
油分と気体を分離するオイルセパレーターの機能不全によるもの。
オイルセパレーターを交換し、インマニやブローバイ配管に溜まったオイルを清掃して
白煙は解消しました。
その他には「ガソリンの臭いがする」というご相談もいただきました。
これは不具合のある部分によっては燃料タンクそのものの交換も考えられ、
そうなるとコストも大きくなってしまうので、
今後の整備プランとして今回は見送ることとなりました。
ガソリン給油時に一度給油ガンが停止したところから
継ぎ足しで満タンにすると、タンクと給油口をつなぐ
「フューエルフィラーネック」と呼ばれる部分から
漏れるようになるケースもあるため、
給油時は完全に満タンまで入れないよう
習慣づけることをオススメします。
これからのメンテナンスもお任せください。