タイプ996 ポルシェ911カレラ4Sカブリオレ
車検整備などもお任せいただいている、K様のポルシェ996カレラ4Sカブリオレ。
今回はセルモーターが回らず、エンジンが掛からなくなってしまったということで修理のご依頼をいただきました。
納車直後に突然のトラブル
実は今回のトラブルは、車検を終え、納車させていただいた直後に発生しました。
帰り道に立ち寄られた先で、突然エンジンの掛かりが悪くなり、その時はなんとか始動できたものの、翌日の朝にはセルモーターがウンともスンとも言わなくなっていたそうです。
弊社でお預かりしていた間には、何度もエンジンを掛けて移動もしていたのですが、その際の始動性はまったく問題なし。
また、車検整備の過程でバッテリーの電圧も点検し、不具合がないことを確認していました。
過去に996で同様の不具合があったこともなかったため、特にこのモデルに多いトラブルとも言えません。
しかしながら、車検整備の直後というタイミングだけに弊社としてもなんとも決まりの悪い出来事でした。
欧州車のベテランオーナー様
各部の点検整備を行い、車検に合格した直後に起こった、今回の立ち往生。
「車検したばかりじゃないか」と、お叱りをいただくかと思いましたが、そうはなりませんでした。
実はK様、ポルシェ以外にも旧いイタリア車やフランス車なども乗り継いでこられたベテランの欧州車乗り。
いままでに様々な理不尽なトラブルも多々体験されてきたそうで
「旧い車だし、そういうこともあるよね」と笑っていらっしゃいました。
こちらの996は20年選手で、今や「クラシック」と言われる世代になっています。
(ポルシェの定義では、生産から20年を過ぎた996は「クラシック」の扱いになります)
セルモーターは頻繁に故障する部品ではありませんが、20年を過ぎた電装部品が寿命を迎えたとしても不思議ではありません。
また、今回は異音や振動といった故障の前兆もなかったため、オーナー様はもちろん、日ごろから様々なコンディションのポルシェに接してきている弊社スタッフでさえも、事前に気付くことができませんでした。
セルモーターからの異音は法定点検でのチェック事項ではありませんが、入庫中にスタッフが異変を感じた際は、必ず点検を行いオーナー様に状況を説明し、修理のご提案をさせていただいております。
セルモーターの交換で無事に復活!
そしてK様には再入庫していただき、あらためてセルモーターを確認してみたところ、内部の部品の寿命でエンジンが始動できない状態になっていました。
セルモーターを新品に交換し、無事に一発始動に!
そして、再度お時間をいただき、ありがとうございました!