ポルシェ・マカンターボ
今年の初め頃に神奈川のM様から、ポルシェ・マカンターボのメンテナンスについてご相談をいただきました。
意外と高い純正ブレーキも、日本メーカー品でリーズナブルに
そこで、Jスクエアでは純正品以外の優良なブレーキパッド&ローターのご案内もしております。
主にオススメしているのは日本のブレーキパーツメーカーとして高い信頼を誇るディクセルの製品。
ストリート用から、スポーツ走行そしてハードなサーキット走行にレースに対応したものまで、豊富なラインナップから、目的に合わせた選択ができるんです。
中でも人気の高いストリート用低ダストタイプのパッドは、純正品と比べてリーズナブルなだけではなく、欧州車ならではのホイールが真っ黒になるブレーキダストも、大幅に少なくなるという利点もあります。
車検満了日は3月ということで、それまでに部品を取り寄せておくとお約束をし準備を進めていました。
入庫直前に冷却水漏れが発生
そして3月に入り、いざ入庫となる直前にM様から
と追加のご要望もいただきました。
しかしながら、今までの経験より、サブタンクのホースだけではなく、サブタンク自体の経年劣化から、そう遠くない将来にタンクからも漏れる可能性が予測されたのでラジエーターサブタンクも併せて交換することをご提案させていただきました。
お車をお預かりし、各部の点検と共にご指摘のあったサブタンクホースを確認するとゴムの劣化が進みヒビ割れも多く見られました。確かにもう交換時期ですね。
さらにサブタンク自体もホース接続部分が割れてしまっており、予想通り、実際の冷却水漏れはここから起きていました。
ブレーキパッド&ローターの交換
実は今回の車検整備のメインイベントでもあるブレーキローターとパッドを交換します。
パッドはかなり薄くなり、ローターはパッドに削られた段差が目立ちます。
さっそくディクセル製の新品パッド&ローターに交換します。
ディクセルのローターは純正品と異なり、センターの凸部(ベルハットと言います)にも防錆処理の塗装が施されているので、時間が経過しても錆びにくいというメリットがあります。
ここはホイールの隙間からチラリと見えるだけに錆びていると、とても気になってしまう部分ですね。
パッド交換時にはパッドセンサーも合わせて交換しておきます。
そしてもちろん、ブレーキオイルの全量交換とエア抜きも行いますよ。
実はブレーキオイルも劣化するということは一般のユーザー様の間ではあまり認識されていないように思われます。
ブレーキオイルは基本的には漏れがなければ減ったりしませんし劣化を感じにくいものですが、吸湿性が高い性質を持っているので空気中の水分を取り込んで、徐々に性能が低下してきます。
ブレーキオイル中の水分が増えると沸点が下がり、ブレーキ多用時にすぐに効かなくなってしまうベーパーロックが起こりやすくなってしまいます。
ですので、Jスクエアでは2年ごとの交換を推奨しています。
ディーラーさんとJスクエア、車検のお見積もりが違う理由
今回のマカンターボの車検は法定24か月点検と車検整備、そしてブレーキ交換に冷却水まわりの修理と大物部品の交換もあったので、結果として少なからぬ額となりましたが、M様にはたいへんお喜びいただけました。
この度はJスクエアに車検整備のご用命、大変ありがとうございました。
さて、メーカーの看板を掲げたディーラーさんとJスクエアのような街の整備工場での車検整備では、なぜお客様のご負担に大きな差があるのでしょうか?
実はディーラーさんの見積もりには、走行距離や年式に応じてメーカーが交換を推奨する部品が入ってくるので、どうしても高額になりがちです。
とはいえ、「本当にコレは今すぐ替えなければならないのか?」という疑問については
「メーカーが交換を指定しているので……」以上の答えはいただけないようです。
一方、Jスクエアでは実際にお車を見させていただき、場合によっては試走もして行うべきメンテナンスと交換すべき部品を見積もりとして提示させていただきます。
その際にはそれぞれのお客様のお車の使用状況やご予算、これからどのくらい乗るかなども加味して
「この部品は次の車検までは大丈夫」であるとか
「様子を見ながら次の点検で交換しましょう」
とお客様に合わせた実践的なご提案をさせていただいていおります。
歴代ポルシェを整備してきた経験も弊社の自信の1つではありますが、お客様主体としたメンテナンスのご提案がお客様から大変ご好評です。