V8ポルシェの定番水まわりトラブル
今回は車体フロントにV型8気筒エンジンを積むポルシェの定番トラブルともいえるVバンク部の樹脂製ラインからの冷却水漏れをご紹介します。
樹脂製の冷却水ラインからの水漏れ
冷却水漏れはメーターパネル内の警告灯が点いて初めて気付かれることが多いと思います。
水漏れに限らず、お車の不具合には何かしらの兆候があるものも多いので、不具合に早い段階で気付くには日ごろからパーキング時に、車の下やエンジンルーム内を見る習慣を付けておくことをオススメします。
とはいえ、今回のケースでは水漏れが起こっているのはカバーされたエンジンのVバンク部分ですから、なかなか気付きづらいとも言えますね。
上の写真ではすでにカバーは外れていますが、問題のある部品にアクセスするには、ここからエンジンの上に載っているインテークマニホールドやスロットルボディなども取り外す必要があります。
取り外したインテークマニホールドの裏側には、ピンク色の冷却水の跡が付いていました。
冷却水が通る樹脂製パイプのつなぎ目から漏れているのがわかります。
エンジンの熱と経年劣化によって樹脂製の部品が脆くなったり、接着部分が取れたりしてしまいます。
また、より劣化が進むとラインの脱着時に部品がパキパキと折れてしまうこともあります。
今回はT字型の黒いパイプを交換させていただきました。
この部品自体はそう高価なモノではありませんが、交換するために多くの部品の脱着が必要になるため、手間の掛かる作業ではあります。
また部品の交換とあわせ、減ってしまった冷却水は補充ではなく交換することをオススメします。
冷却水を全量新しくすることで冷却水の性能も高まり、トラブルを避けることにもつながります。
樹脂製の部品が多用された現代の車、そして大排気量のV型エンジンということもあり、どうしても熱の影響で不具合が起きてしまう部分ではあります。
今回の漏れは軽いものでしたが、警告灯を無視して乗り続けたりすれば最悪は冷却水がなくなり、エンジンがオーバーヒートするなど大きなダメージを負ってしまい、高額な修理費用が掛かってしまうリスクを負うことにもなります。
不具合修理のコストを少しでも抑えるには、冷却水の漏れに気付かれましたら、できるだけ早い段階でご相談ください。