今回は12年前、初めてポルシェを販売したエピソードです。
これまで多くのポルシェを販売してきましたが、一台一台のエピソードはしっかりと覚えています。
長くお付き合いしているお客様も、最近オーナーになったという方も趣味性の高いポルシェの購入はきっと記憶に残ってるはずです。
どんな人から買ったかもきっと覚えているのでは。。(;^_^A。
ポルシェに一度乗ってしまうと、ポルシェ特有の魅力の沼に引きずりこまれ、気づけば私と長いお付き合いになっていた、なんてことがあります。
そうやってお付き合いも長くなってきますと、車検やメンテナンスでご来店いただいたときに、新しい家族が増えていたり、お子さんの成長を見せていただくこともあります。
メンテナンスのお話だけでなく、思い出話に花が咲くなんてことも多々。
そんなお客様との関係を築けるのもポルシェのセールスの魅力かと思います。
2011年にポルシェ販売の会社に入社しました。
入社第一号となるポルシェ販売に至るまでには、そう時間はかかりませんでした。
はじめてのお客様は、ポルシェデビューの20代男性
当時、メインで展示していたのは997の前期モデル、今も変わらず人気の車種でございます。
そんな997をマイクロファイバーでふきふきしていると20代の真面目そうな男性が来店されました。
「いらっしゃいませ」とポルシェ初心者セールスマンの私が近寄っていくと
「ポルシェというか、車を見に来るのも初めてなんです」と、初心者同士の商談。。。
話を聞いてみると就職して3年の社会人、父親に「どうせ車を買うならポルシェにしろ」と言われ見に来たそうです。
間違いなくお父さんも乗りたいという野望がうっすら見えてきます。
予算の話をすると希望車種は911、頭金は20万で残りはローンということでした。
997は当時、600万~。
年齢的にローン元金なども考えると300万くらいのが良いのかと思います。
希望に合った車両を探していくと……店舗入口付近に325万の911を発見!
996カレラ後期型でガンメタのスタンダードカレラでした。
10年落ちの車輛ですが、さすがポルシェ。
前オーナー様の愛がこもっていて10年おちには見えない佇まい。
お客様も「おお!この値段で買えるんですか?」と盛り上がりました。
シートに座り、ハンドルを握っていただく。
鍵を差し出し、エンジンをかける。
すると……
ポルシェサウンドが響きわたり、お客様の心を鷲掴み。
そう、ポルシェにはセールストークなど必要なかったのです。
エンジンを切り、二人でポルシェに見とれていると、お父さんとお兄さんがメルセデスのオープンカーで遅れて登場しました。
つづく・・・