ポルシェ981ボクスター・車検整備


ご相談内容
ポルシェ981ボクスターのオーナーであるT様からは、『普段はあまり乗らず休日に乗る程度なので、車検は必要最低限の内容で進めたい』とご要望いただきました。
また、車検整備以外で気になるところをおうかがいすると、いくつかの異音が気になるとのことでした。
- 右ドアから「カタカタ」という音がする
- 低速ギアで一気に加速しようとすると「カラカラ」と音がする
- 2速から3速に入れる時「ガコン」という音がする

異音の原因究明

まず、右ドアからの「カタカタ」音ですが、レギュレーターに原因があると考え一旦お見積りもお出していました。ですが、点検を進めていくと内張りの浮きが原因の可能性もありそうでした。


この時点では断定できなかったのですが、車検は通る状態ではあります。T様にご報告すると、「今回は車検のみで大丈夫です」とのことでしたので、今回作業は見送ることになりました。

車検整備
法定56項目+16項目に従って点検、整備を進めていきます。




タイヤ


タイヤは摩耗が進み、スリップサインが出ている状態でしたが、車検基準の1.6mmはギリギリクリアといった状態でした。
その旨お伝えすると、T様がお付き合いのある業者様で手配されるご予定とのことでしたので、今回はこの状態のまま車検へ進めることとなりました。
左前輪のブリーダーバルブ


ブレーキフルード交換をしようと、左前輪のブリーダーバルブを緩めたところ……


ポロっと折れてしまいました。


実はブリーダーバルブは折れやすいという側面があります。
- 腐食していて、緩める際に折れてしまう
- ブリーダーバルブを付けたまま塗装などすると固着してしまい、外そうとする時に折れてしまう
こういったことがあるため、その場合には新品交換させていただいています。
エアフィルター(エンジンエアエレメント)交換

↑ 左右が取り外したエアフィルター。中央2つが新品のエアフィルターです。
エアフィルターは汚れが目立っていたこと、走行距離が推奨交換時期の7万kmを超えていたため、ご了承をいただき交換しました。


ケイマンおよびボクスターは、車両構造上、エンジンルームへアクセスするためにエンジンカバーを外す工程があり、他の車種と比べて作業工程が多くなります。
エアフィルターはエンジンオイルホースなどの奥に配置されているため、交換時には周辺部品を外しながら作業を行います。


エアコンフィルター

左)新品のエアコンフィルター / 右)使用していたエアコンフィルター
写真からもわかるかと思いますが、こちらはかなり汚れがありましたので、ご了承をいただき交換しました。
オイル交換





最後の走行点検

最後にご相談いただいていた走行中の異音について、走行テストを行い確認しましたが異音の確認はできませんでした。
T様にお話を伺った際には、低速走行から一気に回転数が上がる場面で発生するとのことでしたので、一般道での走行テストでは再現が難しい状況でした。今回はそのまま車検を通過しておりますので、引き続き様子を見ていただくことになりました。
ご納車
今回は、車検整備に加え、走行中の異音についてもご相談をいただきました。
いくつか確認事項はありましたが、今回は車検取得を優先し、必要最低限の整備内容にて対応しております。
次回以降でも問題のない箇所については、引き続き様子を見ていただくこととなりました。

また何かお困りのことがありましたらご相談くださいませ。
今後ともよろしくお願いいたします。



